かぜのひき始めの症状である、咳、痰、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状が出たら、熱を測ってみることが大切です。幸い初期症状のみで、高熱もなく、食欲もあるのであれば、ドラッグストアで市販されている総合かぜ邪薬が最も得意とする分野ですのでこれを飲み、予防対策と体の養生をすればすぐによくなります。

しかし、高熱、食欲減退、下痢、嘔吐などを伴うような場合には、早めに医師に診察してもらうことが大切です。最近、セルフメディケーションという言葉が聞かれるようになりましたが、これは感知するまで薬局で買える一般薬に頼るということではありません。

上記のような症状は、総合かぜ薬の限界を超えており、脱水症状、脳症などの合併、気管支炎の合併なども予想され、ともすれば全身管理を余儀なくされてしまう可能性もあります。一般薬を服用して2〜3日経っても改善がみられない場合には、早めに医師の診察を受けることが大切です。

一方、ぜんそく、心臓病などの既往歴がある方、お年寄り、子供、妊産婦の方は、風邪を引いたときは一般薬は頼らず、医師の診察を受けるほうが賢明です。心肺機能が低下しているお年寄りや、喘息などの慢性呼吸器疾患の方は、肺機能の低下によって呼吸困難に陥りやすいほか、肺炎の併発を招きやすいからです。

また、子供では薬用量の細かな設定が必要となるほか、長期の高熱が脳などへ与える影響も懸念されます。妊産婦では風邪をこじらせると、医薬品を使わざるを得ない状況になりますが、その場合に胎児への影響や、母乳へ薬物が移行すれば赤ちゃんにも影響を及ぼす恐れもあります。従って、この場合にも早めにかかりつけの病院を受診して医師の指示を仰ぐことが必要です。

そのほか、高血圧などの心疾患のある方も、かぜをひくことによって状態の悪化を招きかねませんので、早めの受診が大切です。

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